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アンティーク家具の修理

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古くから木との深い関わりがある日本は、寺院や神社など多様な木造建築を造るための技能が発展しました。

寺院や神社だけでなく、家屋や家具の製作もさかんだったので、木工の技能を身近に触れたり学んだりする機会

はたくさんあります。

学校の技術家庭科でカンナやノミを使った経験のある方も多いのではないでしょうか。

かくいうわたくしは都が運営している技術訓練校でみっちり1年間、木工技術の勉強をしました。

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ところが、西洋アンティーク家具の修理に関しては、残念ながら国内で学ぶ機関がありません。

僕の場合は木工所で修行後に勤めたアンティーク屋さんで、我流で習得したと思われる先輩方の仕事を盗みな

がら技を磨きました。ただ、なかなか納得がいくように直せないこともあり、行き詰まる日々が続き…

そんな時に実際に本国ではどのようにやっているのだろう?と思って手に入れたのがこの2冊の本。

それこそアマゾンがない時代、輸入書籍を扱う会社を電話帳で調べて相談に乗ってもらい、やっとのことで手に

入れました。

見よう見まねで試行錯誤をかさねてはページを繰り、トライ&エラーを繰り返してはページを繰り、の連続でし

たが、20年経った今でもアンティーク家具に従事できているのは、この本のおかげ、といっても過言ではありま

せん。

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修理をしていて一番楽しいのが、修理痕を発見して先達の卓越した技術を垣間見た時。心のこもった丁寧な手

仕事に思わず唸ってしまうこともしばしば、です。

古今東西の職人と同じく家具修理でも名を遺すことはありませんが、こういう時は「素晴らしい!自分の名前

の焼き印をしてもいいのでは」と一人ごちてしまいます。

逆にとてもラフな修理がしてあってその尻ぬぐいをさせられることも。

「なんでこんな劣悪なボンドを使うんだろう、解体する時に大変じゃないか」「接合部にビスを打たないでよ、

ホゾがダメになってしまうよ」云々。

ショップの片隅でぶつぶつ独り言を言いながら作業をしているところを見かけたら「遠い昔の修理職人と時空を

超えた会話をしているのだな」と思って温かく見守ってくださいね。

そして、いつか自分が直した家具を手にした職人さんに文句をいわれないよう、僕も日々精進せねば、です!

 

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