my account the linen bird contact ONLINE SHOP お話を聞く 本棚部屋から アムステルダム便り 工場見学 リネンの話 スタッフ日常 sign in
 
about linen リネンのはなし、あれこれ、よもやま話。

第21話 リネンバードの話





長い間ご愛顧いただきましたリネンバード日本橋店ですが、今年8月末をもって閉店いたしました。日本橋店をご利用いただきましたお客様がた、本当にありがとうございました。今後、なにかとご不便をおかけしますが、どうぞご理解いただけますようお願い申し上げます。

現在唯一の店舗となった二子玉川の地で、皆様へのサービスの充実をはかっていくにあたり、私たちがリネンにたくす思いを、改めてお伝えしたいと思いました。

リネンバードを通じてまず一番知っていただきたいのは、リネンという素材の素晴らしさ。それは、このホームページや、リネン屋さんのリネンの本、取材していただいた雑誌など、色々なところで紹介してきました。今後も、レッスンや季節の催しなどもふくめ、さまざまな形でリネンを提案していこうと計画しています。





私たちがそれと同じくらい大事に考えているのは、リネンがやってくるまで、そして皆様にお届けするまでの道のりのことです。
リネン産業の現状」でもお伝えしたように、ヨーロッパのリネンは斜陽産業で、そこで働く人たちは、低賃金国からの脅威とたたかい、ジレンマに陥っています。
自分が消費者の立場の時は、消費者に安価で豊富に商品を提供することが、重要なことだと思っていましたが、長い目で見た場合、物事はどうもそう単純ではなさそうです。
あまり売れすぎることは、生産をヨーロッパからシフトすることを促進することにもなりかねず、産業をその地に残しにくい流れをつくりだしてしまうのです。

では、何をめざしていけばよいのでしょう。

実際にフラックスを収穫して、繊維を取り出しているところを見たり、ベルギーリトアニアの工場を訪れたりすると、伝統産業のあり方について考えさせられます。
しかし、昔ながらの伝統を頑なに守り続けることが絶対的に正しいかといえば、そうではありません。
生き残る工場を訪ねて話を聞いてみると、すべてはバランスだと思いました。





CABBAGES & ROSESは、made in UKにこだわり、伝統的な繊維産業が今も息づくウェールズで、オーセンティックな味わいのある生地を小規模にプリントしています。 LIBECOもCABBAGES & ROSESも、オープンマインドでいろんな質問やリクエストにも応えてくれる、作り手の顔が見える会社です。
スタイルそのものは異なりますが、仕事に対する考え方でリネンバードと共通することは多く、いっしょにやってみようということになった経緯があります。

Soulless shopping(直訳すれば「魂のないショッピング」となにやらぎょうぎょうしいですね)は、そのCABBAGES & ROSESに教えてもらった言葉ですが、自動販売機や無人の商品棚でするとりあえずの買い物体験を、そう呼ぶそうです。
わたしたちがお客様に接する時に目標にするのは、その対極にあるものです。

世界中、どこにいっても同じナショナルブランドの店が並んでおり、古い小売り業が急速に消滅しつつあります。そうした流れに反して、小さくてもユニークであることにこだわっている、私たちは彼らのそうした精神を損ねることなく、継承していけたらと思っています。





わくわくしたり、どきどきしたり、ちょっと緊張したり、心がやすらいだり、なにか気持ちが動かされるような買い物体験とそれにふさわしい商品を提供したい。
そうすることによって、モノの動きの中にも、人とのコミュニケーションの中にもなにかポジティブな連鎖のようなものを生み出していくことができればと、考えています。

理想を完璧に徹底することは難しいかもしれませんが、バランスをとりつつ、息長く目指していきたいと思います。




リネンの話 バックナンバー